救急車を呼ぶほどの体調不良やけがが起きたとき、本人や家族が病歴や飲んでいる薬を正確に説明できないことがあります。政府と消防庁が案内する「マイナ救急」は、マイナ保険証を使って救急隊が医療情報を確認し、搬送先の選定や救急車内の処置に役立てる取り組みです。
この記事では、マイナ救急で何が確認されるのか、利用時に同意や暗証番号が必要なのか、40代以上の人が家族と一緒に準備しておきたいことを、公式情報に沿って分かりやすく説明します。

マイナ救急とは?
マイナ救急とは、119番通報で駆けつけた救急隊員が、傷病者本人のマイナ保険証を専用のカードリーダーで読み取り、過去の受診歴や薬剤情報などを確認する取り組みです。
本人が意識を失っていたり、痛みや混乱で説明できなかったりする場合でも、救急隊が医療情報を把握することで、搬送先の選定や必要な処置に役立つ可能性があります。これは通常の健康相談や診断を受けるためのサービスではなく、救急活動を支える仕組みです。
救急隊が確認できる主な情報
消防庁の案内では、マイナ救急で次のような情報を確認できると説明されています。すべての医療情報を無制限に閲覧するという意味ではなく、救急活動に必要な範囲で扱われます。
| 情報 | 確認できる内容の例 | 役立つ場面 |
|---|---|---|
| 診療・薬剤情報 | 過去の受診歴、薬剤情報、手術情報、診療情報など | 既往症や服薬状況を確認するとき |
| 特定健診情報 | 健診結果、血圧、血糖、服薬情報、既往歴など | 本人が説明できないとき |
| 救急用サマリー | 直近の受診・薬剤情報や手術情報などの要約 | 救急隊が短時間で情報を確認するとき |
特定健診情報は40歳以上の特定健康診査の結果も対象に含まれます。ただし、表示される情報の範囲や運用は制度・登録状況によって異なるため、個別の病気が必ず判明するとは限りません。
マイナ救急の利用の流れ
- 119番に通報する
指令員から、傷病者のマイナ保険証を準備するよう案内される場合があります。 - 医療情報の閲覧について同意を確認する
救急隊員が本人に同意を求めます。意識不明などで同意取得が難しく、生命や身体を守る必要がある場合は、同意なしで閲覧することがあります。 - 本人確認を行う
カードの顔写真などで本人確認を行うため、カードのマイナ保険証では暗証番号の入力は原則不要と案内されています。 - 専用カードリーダーで情報を確認する
受診歴や薬剤情報などを確認し、搬送先の選定や処置に活用します。
消防本部によって流れが少し異なる場合があります。救急隊員から説明を受けたら、その案内に従ってください。
利用するために必要な準備
マイナ救急を利用するには、マイナンバーカードを持っていることと、健康保険証としての利用登録が完了していることが必要です。まだ登録していない人は、マイナポータルや医療機関などでの登録状況を確認しておきましょう。
- マイナンバーカードを普段どこに保管しているか家族で共有する
- 健康保険証の利用登録が済んでいるか確認する
- 外出時に携帯するか、家族が保管場所を把握しておく
- かかりつけ医療機関や服薬情報を家族にも分かる形で整理する
- カードを紛失した場合の連絡先を確認する
カードを持ち歩くことに不安がある場合でも、保管場所を家族が知らなければ緊急時に準備できません。財布やカードケースなど、本人と家族が確認しやすい場所を決めておくことが重要です。
スマホのマイナ保険証でも使える?
消防庁の案内では、2026年4月からマイナ保険証を搭載したスマートフォンでもマイナ救急を実施できるとされています。iPhoneとAndroidの両方に対応しますが、本人による生体認証や4桁の暗証番号入力が必要になる場合があります。
そのため、本人が意識不明などで操作できない場合は、スマホ版ではマイナ救急を実施できないことがあります。カードのマイナ保険証があれば、カードを使った確認が可能な場合があるため、スマホ版を利用している人もカードを持ち歩くよう消防庁は案内しています。
家族で確認しておきたいこと
マイナ救急はカードだけ準備すればすべて解決する仕組みではありません。家族が次の情報を把握していると、救急隊への説明も補いやすくなります。
- かかりつけ医療機関の名前
- 現在飲んでいる薬と、薬手帳の保管場所
- アレルギーや過去の大きな病気
- 緊急連絡先
- マイナンバーカードの保管場所
マイナ救急が使える状況でも、119番通報をためらってはいけません。症状が重い、意識がない、呼吸が苦しいなどの場合は、必要な救急要請を優先してください。
個人情報が勝手に見られるの?
消防庁の案内では、救急隊員が本人に医療情報の閲覧について同意を求める流れが示されています。意識不明などで同意取得が困難な場合は、生命や身体を保護する必要があるときに限り、同意なしで閲覧することがあります。
閲覧される情報は救急活動に必要な医療情報で、本人確認やカードリーダーを使った手順があります。制度の細かな運用は変更される可能性もあるため、最新情報は消防庁の公式ページで確認してください。
まとめ
マイナ救急は、救急隊がマイナ保険証を使って受診歴や薬剤情報などを確認し、搬送先の選定や救急活動に役立てる取り組みです。利用にはマイナンバーカードと健康保険証の利用登録が必要です。
40代以上の人は特定健診情報も関係するため、カードの保管場所、利用登録、薬手帳、かかりつけ医療機関を家族と一緒に確認しておきましょう。スマホ版を利用している場合も、意識不明時に備えてカードのマイナ保険証を持ち歩くことが大切です。
よくある質問
マイナ救急を使うと暗証番号が必要ですか?
カードのマイナ保険証では、救急隊員が顔写真などで本人確認を行うため、暗証番号の入力は原則不要と消防庁が案内しています。スマホ版では生体認証や4桁の暗証番号が必要になる場合があります。
マイナ救急で何が見られますか?
過去の受診歴、薬剤情報、手術情報、診療情報、特定健診情報など、救急活動に必要な範囲の情報が確認されます。
マイナ保険証の利用登録をしていないと使えませんか?
消防庁の案内では、マイナンバーカードを持ち、健康保険証としての利用登録が完了していることが必要です。
救急車を呼ぶときはマイナ保険証より119番が先
マイナ救急は救急隊の確認を助ける仕組みですが、カードやスマートフォンの準備に時間をかけてはいけません。意識がない、呼吸が苦しい、胸が痛い、ろれつが回らないなど緊急性があるときは、まず119番へ通報し、指令員の質問に答えます。カードの有無は通報を遅らせる理由になりません。
マイナンバーカードを持っていない場合
カードを持っていない人や、読み取りができない状況でも、救急隊は本人や家族への聞き取り、持ち物、医療機関への照会など別の方法で必要な情報を確認します。カードがないから救急搬送を受けられないという意味ではありません。利用できる場合に、過去の受診歴や薬の情報を確認するための補助として考えましょう。
カードとスマートフォンを準備する場合の違い
| 準備するもの | 確認しておきたいこと |
|---|---|
| マイナンバーカード | 暗証番号を救急隊に伝える必要はないか、保管場所を家族が知っているか |
| 対応スマートフォン | 電池残量、画面ロック、マイナ保険証の利用登録状況 |
| お薬手帳や薬の一覧 | 薬名、飲む量、アレルギー、かかりつけ医の連絡先 |
半年に一度、家族と確認する項目
持病や服薬内容は変わることがあるため、半年に一度を目安に、かかりつけ医、服用中の薬、アレルギー、緊急連絡先を更新します。カードやスマートフォンの場所だけでなく、「119番を呼ぶ判断」「玄関の鍵の場所」「同居家族への連絡先」も確認しておくと、本人が一人のときの対応を家族が支えやすくなります。
参考・出典
- 総務省消防庁:あなたの命を守る「マイナ救急」(確認日:2026-09-09)
- 政府広報オンライン:マイナ救急(令和8年9月掲載)(確認日:2026-09-09)



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