SNSを見ていると、著名人の写真や名前を使った「誰でも簡単にもうかる」「本人から投資を教えてもらえる」という広告が表示されることがあります。メッセージアプリの投資グループに誘導され、最初は利益が出たように見えても、出金時に高額な手数料や税金を求められるケースがあります。
国民生活センターは2026年9月1日、SNS上で著名人を名乗る投資勧誘について注意喚起しました。50代・60代の相談事例も掲載されているため、本人や家族がSNS広告を見たときに確認できるよう、危険なパターンを具体的に整理します。
先に結論
- 著名人の画像や名前があるだけでは、本物の投資案内とは限りません。
- 投資資金を個人名義の銀行口座へ振り込むよう指定されたら、送金しないでください。
- 出金前に高額な手数料・税金・保証金を求められたら、追加送金を止めて188や警察に相談します。

なぜ「著名人の投資広告」を信じてしまうのか
広告に有名人の写真や肩書きが表示されると、「本人が紹介しているなら大丈夫」と感じやすくなります。さらに、広告からメッセージアプリへ移動したあと、投資経験者やアシスタントを名乗る人が複数人で説明すると、実在する講座のように見えることがあります。
国民生活センターが紹介した事例では、最初に少額を出金できたことで信用してしまい、その後に大きな金額を送金したケースもあります。最初に出金できたことは、業者が安全だという証明にはなりません。
危険な投資勧誘に多い5つのサイン
| サイン | 確認したいこと |
|---|---|
| 著名人の写真・名前を強調 | 本人の公式サイトや公式アカウントに同じ注意喚起があるか |
| 広告から個別メッセージへ誘導 | 運営会社の正式名称・所在地・登録番号が確認できるか |
| 投資グループで成功談が続く | 実績画面やチャットの投稿だけを証拠にしていないか |
| 個人名義口座への振込を指定 | 通常の金融商品取引の支払先として不自然ではないか |
| 出金前に手数料・税金を請求 | 追加送金を止め、第三者に確認しているか |
個人名義の口座を指定されたら送金しない
国民生活センターは、株式・FXなどの通常の取引で個人名義の銀行口座に振り込ませることはなく、個人名義の口座を指定された場合は詐欺だと考えて振り込まないよう注意しています。
「担当者の個人口座」「アシスタント名義」「一時的な入金先」と説明されても、確認のために少額を送るのは避けてください。送金前に金融庁の登録業者一覧で事業者名を確認し、広告や相手が示したリンクではなく、金融庁公式サイトから調べるのが安全です。
「出金には税金が必要」と言われたら?
利益が表示されていても、出金のために高額な手数料・税金・保証金・認証費用を先に払うよう求められたら、追加送金を止めます。画面上の残高や利益表示は、実際に資金を回収できることを保証するものではありません。
- 相手とのチャット、広告、振込先、請求画面をスクリーンショットで保存する
- 追加送金や借入れをしない
- 金融機関に送金先と状況をすぐ相談する
- 消費者ホットライン188、警察相談専用電話#9110へ相談する
広告を見ただけ・連絡しただけなら何をする?
まだ送金していないなら、相手に「確認のため」と返信せず、グループやメッセージを閉じてください。登録したパスワードを相手に入力した場合は、公式アプリや公式サイトからパスワードを変更し、同じパスワードを使っているサービスも見直します。
本人確認書類や銀行情報を送ってしまった場合は、送信先とのやり取りを保存したうえで、金融機関・警察・消費生活センターに相談します。相手から「被害金を取り戻す」と連絡が来ても、二次被害の可能性があるため追加の手数料を払わないでください。
家族が投資グループに入っているときの声かけ
頭ごなしに「詐欺だ」と言うと、本人が相談を隠してしまうことがあります。まず「出金に手数料は必要と言われた?」「振込先は会社名義か個人名義か?」「公式の登録業者一覧で確認した?」と、確認項目を一つずつ一緒に見ます。
大切なのは、利益が出ているかどうかではなく、誰が運営し、どの登録を受け、どの名義に送金するのかを確認することです。確認できない部分が残るなら、送金を止めて第三者へ相談します。
よくある質問
著名人本人の写真がある広告なら本物ですか?
写真や名前だけでは判断できません。無断使用の可能性もあるため、本人の公式サイトや公式アカウント、金融庁の登録情報を別経路で確認してください。
少額で利益が出て出金できたなら安全ですか?
安全とは限りません。信用させたあとに大きな金額を送金させるケースがあるため、少額の出金実績だけで追加送金を判断しないでください。
すでに振り込んでしまったら、取り戻せますか?
回復できるかは状況によって異なります。時間を置かず、振込先の金融機関、警察、消費生活センターへ相談し、証拠を整理して伝えましょう。
まとめ
SNSの著名人投資広告は、画像や成功談ではなく、運営会社の実在性・金融庁の登録・振込先名義・出金条件で確認することが大切です。個人名義口座への振込や、出金前の高額請求が出たら送金を止め、188や#9110に相談してください。
金融庁の登録を確認する3つの段階
投資話を紹介されたら、相手が見せてきた登録番号だけで信用しないでください。金融庁の公式検索で会社名、所在地、登録業種を調べ、広告に書かれた会社名と一致するかを確認します。登録が見つかっても、その人個人の口座へ送金してよいという意味ではないため、送金先は別に確認が必要です。
- 広告やメッセージにある会社名を正式名称で書き出す
- 金融庁の登録業者検索で名称と登録業種を照合する
- 送金先、手数料、出金条件が会社の正式な契約書と一致するか確認する
家族に相談するときに伝えること
「有名人の名前が出ている」「他の参加者も利益が出た」という説明は、本人を急がせる材料になり得ます。家族に相談する場合は、広告のスクリーンショット、相手のアカウント名、振込先、請求された手数料、やり取りの日付をまとめて見せてください。相談したことで責められると思っても、送金前に第三者へ確認する方が被害を小さくできます。
送金してしまった後にすること
追加の手数料を払う前に、振込先の金融機関へ連絡し、警察や消費生活センターにも相談します。証拠を消さず、相手への返信や通話内容も記録してください。「被害金を取り戻す」と言って先に費用を求める回収業者や別の勧誘にも注意が必要です。暗証番号や認証コードを伝えてしまった場合は、金融機関の指示に従ってすぐに変更します。
親世代の投資被害を防ぐ家族のルール
家族間で「その場で送金しない」「個人名義口座には振り込まない」「24時間置いてから相談する」という3つのルールを決めておくと、急かされたときにも判断を止めやすくなります。投資の経験がある家族でも、SNS広告の人物や実績が本物かは別問題なので、金額ではなく手続きと登録状況を確認しましょう。
参考・出典
- 国民生活センター:SNSで著名人が勧める“もうかる方法” それって本当!?金融商品・サービスのトラブルにご注意!(確認日:2026-09-07)
- 金融庁:免許・許可・登録等を受けている業者一覧(確認日:2026-09-07)


