地震や大雨で断水すると、食べ物や水と同じくらい困るのがトイレです。水洗トイレは、電気や水道、下水道のどれかに不具合が起きると、いつも通り使えなくなることがあります。
そこで備えておきたいのが携帯トイレです。ただ、「何個買えばいいのか」「家族4人ならどれくらい必要か」「押し入れの奥に置いていて大丈夫か」と迷う人も多いでしょう。
政府広報は、携帯トイレを1人あたり1日5~6回分×7日分備える目安を示しています。この記事では、家族人数ごとの必要数、選ぶときの確認点、いざというときに取り出せる保管方法を、実用的な順番でまとめます。

結論:1週間分は「5~6回×人数×7日」が目安
携帯トイレの備えは、1回分を1個として数えると分かりやすくなります。家族全員が在宅していることを想定し、最低でも1週間分を用意しておくと、断水や配管の不具合が長引いたときの安心につながります。
| 家族人数 | 1日分の目安 | 1週間分の目安 | 購入時の見方 |
|---|---|---|---|
| 1人 | 5~6回分 | 35~42回分 | 50回セットなら余裕を持てる |
| 2人 | 10~12回分 | 70~84回分 | 50回セットを2箱などで考える |
| 3人 | 15~18回分 | 105~126回分 | 100回分では少し足りないことがある |
| 4人 | 20~24回分 | 140~168回分 | 150~200回分を目安に分けて保管する |
| 5人 | 25~30回分 | 175~210回分 | 大容量を1か所に集中させない |
これはあくまで備蓄の目安です。小さな子ども、高齢者、体調や服薬の影響で回数が増える人がいる家庭では、多めに準備しましょう。ペット用は人用とは分け、自治体の案内も確認してください。
なぜ水がなくなるとトイレが使えないの?
水道が復旧しても、配管や下水道の安全が確認できるまでは、自己判断で水洗トイレを流すと詰まりや逆流につながるおそれがあります。マンションでは停電で給水ポンプが止まる場合もあります。
避難所へ行けば必ずすぐ使えるとは限りません。自宅で数日過ごす可能性も考え、家庭用の携帯トイレを用意しておくことが大切です。水や食料の備蓄と同じ箱に入れるのではなく、トイレで使う場所の近くにも一部を置くと、暗い時間帯でも取り出しやすくなります。
携帯トイレと簡易トイレの違いを先に確認
商品名は似ていますが、使い方は少し異なります。購入前に「自宅の便器に取り付けて使うのか」「便器が使えない場合にも使えるのか」を確認しましょう。
| 種類 | 一般的な使い方 | 確認したいこと |
|---|---|---|
| 携帯トイレ | 便器に袋をかぶせ、凝固剤などで処理するタイプが多い | 袋・凝固剤・防臭袋が1回分ずつ入っているか |
| 簡易トイレ | 組み立て式の便座や箱型の本体を使うタイプ | 耐荷重、置き場所、携帯トイレと併用できるか |
| 補助用品 | 手袋、消臭袋、除菌シート、照明など | 使用後の衛生・夜間の安全を補えるか |
すでに水洗便器が使える状態でも、断水時に流さず使う方法として携帯トイレが役立ちます。一方で、便器の破損や倒壊が心配な場合もあるため、製品の説明書と住まいの状況に合わせて準備してください。
失敗しにくい備え方:本体だけで終わらせない
「凝固剤だけ買った」「袋だけある」という状態では、いざ使うときに足りないものが出やすくなります。セットを選ぶ場合でも、次の中身を確認しましょう。
- 排せつ物を受ける袋
- 水分を固める凝固剤
- 口を閉じて保管するための防臭袋・処理袋
- 使い捨て手袋
- 除菌シートまたは手指衛生用品
- 夜間用の小型ライト
- 必要に応じて、簡易便座や目隠し用品
処理の細かな手順は製品によって違います。一般には便器や本体に袋をセットし、使用後に凝固剤を入れて袋をしっかり閉じますが、二重袋が必要か、廃棄までの保管方法は商品説明に従ってください。ごみとして出す時期・分別方法は、災害時の自治体の案内を確認します。
保管場所は「1か所だけ」にしない
大量の備蓄を1つの物置にまとめると、停電時や家具の転倒、家の一部が使えないときに取り出せないことがあります。次のように分けると実用的です。
- トイレの近く
すぐ使う分を10~20回分ほど。夜間も取り出せる場所に置きます。 - 玄関または防災リュックの近く
避難先や車内で必要になったときの少量を入れます。 - 押し入れ・収納棚
1週間分の主な在庫を、湿気・高温を避けて保管します。
車内だけに置くのはおすすめできません。夏の高温や、外出中に車を使えない状況もあるためです。未開封でも使用期限や保存期限がある製品は、箱に購入月や見直し月を書き、年に1~2回は中身を確かめましょう。
高齢者や子どもがいる家庭で増やしたい配慮
家族構成によっては、個数だけでは足りません。足腰が弱い人には立ち座りしやすい簡易便座、夜間にトイレへ行く人には足元を照らすライト、においに敏感な人には防臭袋を多めに用意すると安心です。
介助が必要な家族がいる場合は、普段使っている用品や必要な回数を基準に、主治医・ケアマネジャーなどの支援者にも非常時の備えを相談してください。災害時に必要なものを家族で共有しておくと、慌てて代用品を探す場面を減らせます。
今週中にできる1週間備蓄チェックリスト
- □ 家族人数×5~6回×7日で必要数を計算した
- □ 袋、凝固剤、処理袋が同じ回数分そろっている
- □ 手袋・ライト・衛生用品を一緒に置いた
- □ トイレの近くと主な備蓄場所に分けた
- □ 高齢者・子ども・介助が必要な家族の分を上乗せした
- □ 使用期限・保管状態を確認した
- □ 災害時のごみ出しは自治体の案内に従うと決めた
自宅の防災備蓄を全体で見直したい人は、一人暮らしにも使える防災備蓄のチェックリスト、暮らしの中で家族と確認したい項目は、暮らしの確認ガイドも参考にしてください。
よくある質問
3日分だけでは足りませんか?
政府広報は、水・食料だけでなく携帯トイレも1週間分を備える目安として案内しています。住まいの被害や断水の長さは予測できないため、まず1週間分を目標にして、難しければ少しずつ増やしましょう。
家族4人なら何回分を買えばよいですか?
1人1日5~6回分で計算すると、4人×7日で140~168回分が目安です。回数が増えやすい人がいる場合は、余裕を持って200回分程度まで検討してください。
使った携帯トイレはすぐにごみへ出せますか?
災害時は通常の収集が止まることがあります。製品の説明に沿って密封し、自治体や避難所の案内が出るまで安全な場所で保管することが基本です。自己判断で下水や側溝に流さないでください。
まとめ
携帯トイレは、1人あたり1日5~6回分、家族全員で1週間分を備えるのが目安です。4人家族なら140~168回分を基準に、必要な人の分を上乗せします。
数量をそろえるだけでなく、袋・凝固剤・手袋・ライトをセットで準備し、トイレの近くと備蓄場所に分散しておくことが重要です。次の週末に家族人数で計算し、まず不足分を確認してみましょう。
参考にした公式情報
情報確認日:2026年9月10日。備蓄量や災害時の処理方法は、家族構成・住居・自治体の案内により異なります。最新の公式情報を確認してください。
よくある質問
携帯トイレは1人何個必要ですか?
政府広報が示す目安は、1人あたり1日5~6回分です。1週間では35~42回分を基本に、家族構成に応じて増やします。
4人家族ならどれくらい備えればよいですか?
4人×1日5~6回×7日で、140~168回分が目安です。高齢者や小さな子どもなど、回数が増えやすい家族がいる場合は余裕を持たせましょう。
断水中に水洗トイレを流してもよいですか?
配管や下水道の安全が確認できる前に流すと、詰まりや逆流につながるおそれがあります。自治体・管理会社の案内を確認し、携帯トイレを使ってください。
参考・出典
- 政府広報オンライン:災害に備えた家庭での備蓄(確認日:2026-09-10)
- 総務省消防庁:防災に関する教材(確認日:2026-09-10)
- 政府広報オンライン:日頃からの防災対策(確認日:2026-09-10)


